ライフアーキ
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水曜日
2020年04月02日
不動産購入

不動産の価格交渉はできるの?|価格交渉時に肝に銘じておくこと

不動産購入ってとても不安が伴いますよね。
とくにご主人様はこれから先、何十年と住宅ローンを支払っていくことを考えると、一歩踏み出す勇気を持つのは簡単なことではありません。

そんな不安を抱えているのですから、少しでも安い金額で、少しでも支払いを少なく、と考えるのはごく自然なことです。

私の経験上およそ7割~8割の方から、購入時に「価格は安くなりますか?」と金額交渉があります。
少しでも安く購入したい気持ちの表れで決して悪いことだとは思いません。

ただ一方で売主様に目を向けてみると、売主様は少しでも高く売りたいと思っています。

相反する2つの交渉ですので、必ず成立するとは限りません。
値下げ交渉をしたがために、希望の物件を購入できなかったお客様もいらっしゃいました。

では、それらを調整する役割の不動産会社はどう考えているのでしょう。
静岡市の不動産会社ライフアーキの内藤が解説いたします。

高額な買い物のぶんメリットも大きい

まず大前提ですが、1000万円の土地は1000万円ですし、1億円の住宅は1億円ですし、100円のボールペンは100円です。
これら全てが、売り値です。

100円ショップでもスーパーでも、値下げ交渉をしている方は見たことがありません。

では、なぜ不動産だけ多くの方が値下げの交渉をするのでしょう。

単純に金額が大きいからだと思います。

普段の買い物とは異なり、数%の値下げが何十万円・何百万円という単位になるため効果が大きいため、多くの方が値下げ交渉にチャレンジしようと思うのではないでしょうか。

私も学生時代に家電量販店で金額の交渉をしたことがありますので、めちゃくちゃ気持ちが分かりますし、おそらく自分が購入者ならば交渉すると思います。笑
多少の恥ずかしさはありましたが、得られるメリットを考えれば、交渉したくなるのが自然なのかと思います。

売主が不動産会社などの事業者

その物件の売主様は不動産会社等の事業者ですか?それとも一般の方ですか?
これによって、値下げの可能性も交渉に仕方もかなり変わってきます。

【不動産会社の場合】
不動産会社の場合は、さらに3つに分けることが出来ます。

大手の不動産会社が売主の場合

新築にしろリフォーム済中古にしろ、大手の不動産会社の場合は回転率を重視しています。商品として売れる状態になったら、いち早く売却して資金を回収し、次の物件を購入する、というサイクルです。

そのため、最も金額の交渉しやすく、可能性があります。

ただし、利益率を無視できるわけでないこと。販売に力を入れているためライバルがいること。売値を下げることで対応し、値引きには消極的であること。などの面から値引きが難しい場合もよくありますので、しっかりと考える必要があります。

【決算期】【何カ月も売れ残り】【最終1棟】などは比較的交渉を受けてもらいやすい印象はあります。


中小の地元の不動産会社が売主の場合

大手と違い、あまり表向きの金額を下げる事はなく、じっくりと販売をすすめていきます。

値下げに関しては、一定の範囲内であれば引き受けてくれることがあります。
資金力に限度があるため、1件1件で確実に利益を確保しなければならず、赤字の損切という選択はあまり行いません。

この手のタイプの物件のメリットは、スピード感があることです。
価格の交渉も売主である会社の社長がOKを出せば、承認されますので交渉のスピードが早いのが特徴です。



ブランド力を大切にする地元工務店等が売主の場合

趣向をこらした物件と綺麗に作り込まれた広告が特徴的の物件です。

会社のブランドイメージを重要視しているため、表向きの値下げには消極的です。
安売りをしてしまうとブランドイメージが低くなってしまうためです。

一方で、販売が長期化している物件の場合は金額交渉をしてくれるケースもあります。

売主が一般の方

売主が一般の方の場合は、売却に際し様々な事情があります。

住宅ローンが残っている、離婚の財産分与になる、任意売却の物件である、などの場合は一切の値下げが難しいかもしれません。

一方で、相続した物件である、資産整理のために、などの場合なら値下げを受けてくれる余地もあるかもしれません。

こういった事情がそれぞれ異なるため、そういった事情を鑑みたうえで交渉を始めなければいけません。

売値の金額で売れて、なんとか残りの住宅ローンを返済できる。という方に、値下げをお願いしても無理でしょう。

一方で、売値に余裕を見ている場合そのぶんだけ交渉の余地があるかもしれませんし、相続物件であれば金額に大きなこだわりがなく購入者がいらっしゃれば、という売主様もいらっしゃいます。

売主様の立場になってみる

買主様の気持ちとは裏腹に不動産仲介会社は価格交渉に慎重です。

それは売主様の個別事情を把握していたり、住宅ローンの残債を知っていたりするため、値下げ交渉を受ける売主様の心情が理解できるからです。

当然ですが、値下げした金額はすべて売主様の負担です。
言い方を変えれば、値下げ分は売主様の懐から捻出しているのです。

懐から100万円出してくれ! なんて厳しくないですか?
自分が大切に住んできた自宅を200万円安くしてくれ! なんてムカつきませんか?

自分が売主となった時に、買主様にどんな感情を抱くのかを想像してみてください。

やみくもに、自分が安く買うためだけに何百万円も値下げ交渉をしてくる買主様と気持ちよく取引が出来ますでしょうか。
せめて、値下げ交渉をする理由や物件購入への前向きな気持ちなどを示してほしくありませんか。

交渉するに向こう側にも「人」がいます。これは必ず忘れずにいてください。

値下げ交渉をしたが故に希望物件を購入できなかった事例

過去に値下げの交渉をしたがために、購入できなかったお客様もいらっしゃいました。

ぜひ欲しいけどせっかくなら多少でも安くなれば嬉しいとのお気持ちで、2850万円の中古戸建を2700万円で購入申込をされました。

しかしながら、売主様には住宅ローンがまだ残っており、2700万円で受け付ける事は現実的ではありませんでした。

一緒に計算したところ、引越し費用も考慮して2820万円弱の売買でないと、持ち出し費用が発生してしまうため、基本的には2850万円の満額でないと受け付けられない旨を購入希望者様へお伝えしました。

しかし、購入希望者様も譲りません。2810万円・・・2820万円と可能な限り交渉をしてきます。

たった1日ですが、そうこうしているうちに他の方から2850万円で購入申込が入りました。
基本的には購入申込が早い順に交渉優先権がありますが、売主様はあっさり2番目の方との交渉を締結しました。

最初の方も2850万円まで買い上がるので契約をして欲しいと懇願されましたが、いまさら無理です。

売主様と2番目の方の契約は無事に完了し、気持ちの良い取引ができました。

交渉をする=交渉される

これは良い物件であればあるほどですが、値下げ交渉をした買主様は、途端に交渉を受ける側に立場が入れ替わります。

ついさきほどまでは、買主様と仲介会社で売主様へ値下げの交渉を行っていました。
しかし、交渉をお願いした途端に、売主様及び仲介会社から買い上がりの交渉をされる側に立場が入れ替わります。

新着物件や価格を下げた物件、人気エリアの物件などはライバルがいます。
買主様には見えませんが、売主様には見えています。

購入する側なんだから強気で!!
という方も稀にいらっしゃいますが、不動産は想いの詰まった1点ものばかりです。
何を買うかという権利は買主様にありますが、誰に売るかという権利は売主様にあります。

あなたが魅力的に感じた物件は、他の方も魅力的に感じます。
買主様からすると1対1の交渉にみえますが、売主様からするとそうでないかもしれません。

交渉をするという事は不利になる可能性もありますので、これは必ず心得ておいてください。

価格交渉可能!ってホントなの?

たまに「価格交渉可能」とか、「金額交渉お任せください」とかを謳い文句に集客を図る不動産仲介会社があります。

さらに安くなるんだ~、買主の味方なのかな~と、魅力的に見えるかもしれません。

でも考えてみてください。

◆不動産仲介会社は売主ではありませんので、値下げの権利は何にも持っていません。

◆値下げが可能なら価格を下げます。だって、その方がお客様の集客に繋がりますもん。

それなのに、どうして価格交渉可能と言い切れるのでしょう。

それは目先の集客しか考えていないからです。
金額を値下げ交渉して売主様に断られたら、それはそれでしょうがない。という考えだと思います。

このような不動産会社はお客様からも不動産者からも信頼されていません。


さいごに

不動産の金額交渉は正直「やってみないと分からない。」です。

売主様のご事情や売却理由、タイミングにもよりますので、たかだか仲介会社が何円なら可能だとか、交渉は全く不可能だとかは答えられません。

買主様のお気持ちも重々理解できますので、「精一杯がんばります!」としか返答できないのが悔しいところですが。

もちろん、売主様のお気持ちもしっかりと感じておりますもので、常識はずれな交渉は売主様に言わずに断ったこともありました。
それなら転売目的で不動産会社が購入するわ!ってレベルでしたので。。。。

だから、金額の交渉は不動産仲介業で非常に気を遣うところのひとつです。

金額の交渉をするな!とは言いません。
しかしながら、常識の範囲内、自分が売主となっても許容できる範囲内に納めていただけると売主様も気持ちよく取引ができると思います。

この記事を書いた人
内藤 文弥 ナイトウ フミヤ
内藤 文弥
不動産売買店 ライフアーキ代表 / 有度二小 - 清水七中 - 静岡東高 - 山口大学工学部卒 / 見た目は大柄ですが声が高めで恐くない / 髭が濃い / 2019年はゴルフに注力。スコア95を目指します。現在ベストスコア97。ついに100きり / お酒も好きで飲みに行くことも多い / 地元消防団に加入しており、日々活動しております。消防団員も随時募集中です!!
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