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2020年06月03日
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遠方に不動産を所有する高齢者は要注意!原野商法への実例と対策

「原野商法(げんやしょうほう)」って、聞いたことありますか?

この仕事をするまで、なんとなく聞いたことがあるな~程度で、詳しくは知らなかったのですが、原野商法とは、ほとんど価値のない土地を売りつける悪徳商法のことです。

いわゆる不動産を介在した詐欺ですね。

1960年代から1980年代頃にかけて頻繁に行われていたようです。

当時はパソコンもインターネットもありませんので、架空の会社名もバレないし、取引対象の土地を調べられることもなく、詐欺師は動きやすかったようです。。。。

いまの時代は、名刺に書いてある会社名前を調べればホームページも連絡先も業務内容もほとんどが分かります。

遠方の土地だってGoogleマップで調べれば、どんな土地なのかをすぐに確認できます。

原野商法なんて、いまは昔の話。

と思っておりましたが、、、、この令和の時代にもまだ存在していました。

とても驚きました!

実際に僕が静岡市に住む80代の女性の方から相談された内容です。
初めての経験ですが、これまさに原野商法です。

「価値ある土地」と「価値のない土地」を交換させられた

静岡市内に息子と2人暮らしの80代の女性の方です。

いま自分がどういう状況に置かれていて、どうすれば良いか分からないけど、息子さんには相談できずに困り果てた様子で、ご相談に来られました。

この方、冒頭でご紹介した原野商法の「価値のない不動産を買わされた。」という訳ではありません。

買わされたのではなく、「自分が所有していた土地と価値のない不動産を交換させられた!」のです。


ご両親の相続で所有していた愛知県の土地(市内の市街地にほど近く相応の価値あり)と、栃木県那須塩原市のほとんど価値のない山林の土地を交換契約していました。

この交換というのが、ずる賢いですよね。

現金の出金や借入れは全く必要ありませんので、お金を動かして家族に怪しまれることも、銀行に出向く必要もありません。

僕もおばあちゃんから聞いた話だけの情報ですが、順を追ってお話いたします。

リゾート開発を手掛ける会社を名乗る

とある平日の昼間に、リゾート開発・不動産開発を手掛ける会社J社が尋ねてきました。

J社の訪問理由は、「愛知県に所有する土地の周辺で商業施設開発を予定しており、可能であれば愛知県の土地を購入させて欲しい!」というものです。

もともと相続で取得した土地で、いまは静岡市に住んでいるため、条件よく売却ができるのであれば。と関心を持たれたようです。

商業施設開発のお話を一通り伺って、最後に強めの念押しが入ったようです。
「情報漏洩を防ぐために、親族含め誰にもこの話を漏らさないでください。」

息子様やお友達などに相談されるのを防ぐ目的だったのでしょう。

計画とん挫の連絡

その後も何度か連絡を取っていたようですが、それから1カ月ほど空いて、再度訪問があったようです。

内容は、「近隣の方々の反対で、愛知県の商業施設開発の話がとん挫してしまった。」という連絡です。

この時には、すでに愛知県の土地を売却する話はある程度まとまっていました。

せっかく好条件で売却ができると思っていた分、落胆されたようです。

そのタイミングを見計らってか、J社は提案をしてきたようです。

土地の交換を持ち掛ける

提案内容は、土地の交換でした。

「海外旅行客の増加に伴う温泉需要の増加で、栃木県那須塩原市の土地が高騰している。商業開発も計画しており、数年以内に開発計画内の土地取得に動き出す。愛知県の土地と那須塩原市の土地を交換して、数年後に売却すれば愛知県の土地を単純に売却するよりも1.5倍は利益がでる。内密の情報だが、この度は愛知県の土地でご迷惑をおかけしたので、ご紹介を許された。」

という内容のものです。

いかにも怪しいな~という感じがしますが、すでにJ社を信じているおばあちゃんからすると、疑いはなかったようです。

そして、ここでも「まだ内密の情報なので、情報漏洩を防ぐために、親族含め誰にもこの話を漏らさないでください。」という念押しが入ります。

契約書等を交わしてからは音沙汰なし

追加資金は必要ない。借入をすることもない。J社を信頼している。

このような条件が揃って、おばあちゃんは愛知県の土地と那須塩原市の土地の交換に応じてしまいました。

最後の最後まで誰にも相談することなく。

後日、持ってきた契約書等に実印でも押印、署名、印鑑証明書も渡したとのことです。

契約書以外にも複数の書類に署名押印したとのことですので、登記の委任状などもこの時に署名押印している可能性がありそうです。

そこから音沙汰がなく、連絡先の電話も繋がらないので、不安になって相談にきた。
というのが全体像です。

調べたところ、愛知県の土地は交換によって、おばあちゃん ⇒ 法人の所有になっていました。
もちろんこの法人はJ社ではありませんし、調べてもまともにホームページも出てきません。

怪しまれないようなターゲット選び

悲しいかな、こうなってしまうと僕が出来ることはたかが知れています。

息子さんに報告を行いました。

弁護士、宅建協会相談窓口を紹介しましたが、警察に相談の上でどうするか決められることと思います。


途中、「怪しいな~」と気が付く場面はいくらでもあったと思います。
◆J社のことを調べる
◆那須塩原市の土地を調べる
◆息子さんに相談する
◆開発計画を調べる

そもそもインターネットを使わないご高齢者さんをターゲットにして、親族にも相談をさせないよう情報に秘密性を持たせて話をすすめることで、これらの疑問さえ回避しています。

実際に相談を受けていて、おばあちゃんはボケてもいませんし、思考もしっかりしていて、話も問題なくできます。

それでも、このような状況になってしまうのです。

僕も恐ろしさを覚えました。

さいごに

いくらここで注意を喚起しても、ターゲットは本記事を読まないであろう方々です。

だから、周りの方が対策をしてください!
といっても、良い方法を提案できるわけではありませんが。。。。

遠方地に不動産を所有している場合は、その地域の不動産会社等に管理を依頼するのも良いと思います。

親族でも、友達でもなく、第三者の不動産のプロが相談の選択肢としてでてきます。

今回も運悪く、誰も管理していない空き地のタイミングでした。

管理会社が入っていたり、駐車場として貸していれば、結果は違ったかもしれません。


個人的にも驚きの相談でした。

ぜひとも知っておいて欲しい実際にあった原野商法被害の実例です。

この記事を書いた人
内藤 文弥 ナイトウ フミヤ
内藤 文弥
不動産売買店 ライフアーキ代表 / 有度二小 - 清水七中 - 静岡東高 - 山口大学工学部卒 / 見た目は大柄ですが声が高めで恐くない / 髭が濃い / 2019年はゴルフに注力。スコア95を目指します。現在ベストスコア97。ついに100きり / お酒も好きで飲みに行くことも多い / 地元消防団に加入しており、日々活動しております。消防団員も随時募集中です!!
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