不動産売却の豆知識
悩んでしまう不動産売却での値下げ交渉・・・こうやって対応しましょう!
交渉事
不動産の売買では、60%以上の物件で値引き交渉が行われます。
日常生活ではまったくしない交渉でも、不動産の場合は大きな金額の買い物ですので、数万円~数十万円もお得になるため、多くの買主様が値引きの交渉を行います。
一方で、売主様からは「値引き交渉に応じるべきでしょうか?」というご相談を受けることがあります。
「販売価格で購入してもらいたい。でも、値引き交渉を断ったら購入者をみすみす逃すことになるのではないか。。。」
そんな不安と葛藤があるかと思います。
そこで今日は値引き交渉に対する売主様の対応にフォーカスしたお話をしたいと思います。
買主様の心情を理解しよう
交渉事の常套手段で、まずは相手の気持ちになって考えてみましょう。
もしも、あなたが買主様だった場合にどんな理由で値引き交渉をしますか?
少し考えてみましょう!
・値引きしてもらった金額で家具を新調したい。
・少しでも値引きが出来るなら安く買いたい。
・そもそも値引きをしてらえないと購入自体ができない。
値引きをお願いするには、様々な理由があるかと思います。
まずは、この値引き交渉の背景を不動産会社に聞いてみましょう。参考になるかもしれません。
どのような理由であれひとつ共通していることがあります。
それは【買主様はあなたの不動産を気に入っている。】ということです。
自分の住まいを購入する時に、損得勘定だけで購入する人はいません。必ず買主様の希望が付随します。
この買主様の気持ちを理解し、自分の大切な不動産を気に入ってくれているという目線で、敵対ではなく協力の関係性を築いていきましょう!
マヒしがちな金銭感覚
高額な商品であるがゆえに、不動産では金銭感覚がマヒします。
そのため、何百万円という単位での値引き交渉になることもございます。
即断りをしてもOKですし、値上げ交渉をしてもOKですし、承諾をしてもOK、最終的には売主様の判断次第です。
まさかと思う値引きを承諾してくださった売主様もいれば、びた一文値下げは受けずに販売を行った売主様もいます。どちらも正解です。
ただひとつ覚えておいてください!
値下げ交渉を行うからといって、買主様はあなたの不動産を評価していない訳ではありません。
「少しでも安く購入できれば・・・」 そんな気持ちからの交渉ですが、不動産では高額過ぎて価格がマヒしてしまうのです。
80万円を端数と捉えたり、100万円単位の値引き交渉をしたり。
販売価格でも購入したいと思っていても、その値引き価格が売主様自身の懐から出ていくことも承知していても、大きな金額の交渉となってしまいます。
中古住宅
①交換条件をだす
ここからは値引き交渉に対応するための、具体的な方策をご紹介します。
一つ目は、こちらからも条件を出す方法です。
交渉事ですので、買主様の希望価格を受け入れる代わりに、金額以外の部分での条件を付していきます。
たとえば、契約から引渡しまでの期間を短くする。建物内の残置物撤去をお願いする。契約不適合責任の期間を短くする。手付金の額を増額する。などの条件が考えられます。
金額を値引きする代わりに、契約をより確実な内容にしたり、売主様の責任を少し減らしてもらう方法です。
このように条件を付すことで、値引き交渉を受けるケースはよくあります。
②はっきりした態度とスピード
交渉でははっきりとした態度を示すことが重要です。
◆ 販売価格でないと売りません!
◆ この金額ではNGだけど、この金額までなら許容します。
このような明確な姿勢を買主様は求めています。
決して、交渉は1度だけではありません。
買/80万円値引きしてください ⇒ 売/30万円の値引きならOKです ⇒ 買/50万円値引きしてください ⇒ 売/50万円の値引きに応じる代わりに古いエアコンを置いていっても良いですか ⇒買/いいですよ!
という感じです。
交渉では複数回、ラリー続くこともあります。
そのため、はっきりとした態度をスピーディーに示すことが大切です。
返答がはっきりしなかったり、遅かったりすると買主様は心配になってしまいます。
交渉を行う上で、はっきりとした態度とスピードは意識してください。
③値引き交渉を想定した価格で売り出す
最初から販売価格を査定額等よりも少し上げておく、値引き交渉ありきの方法です。
2200万円で売れるだろうという物件を、2300万円で売りに出しておくことで、値引き交渉の余裕を100万円持っておくことが出来ます。
ただし、適正な市場価格よりも高く売り出すので、反響や案内などお客様からの反応が悪くなる可能性があります。
物件本来の価値よりも、値引き交渉対策に重きを置いているようで、僕はあまり好きではありません。笑
ただ、実際には値引き交渉が入らなければラッキー、値引き交渉があっても適正価格で販売できるため、売主様からは人気のある方法です。
条件はしっかりと契約書に!
不動産では契約時に分かっていなかったことが、お引渡しをしてから判明することがあります。
特に中古住宅では、家具や家電をどかしたら木部が腐食していた。空き家になっていたので雨漏りに気が付かなかった。など、不具合が判明することがあります。
このような契約時には分かっていなかった不具合等は一定期間、売主様の責任となります。(これを契約不適合責任と言う。)
残念ながら、値下げ交渉に応じたからといって、免除されるわけではありません。
契約書には値下げをした事実は記載されません。
そのため、しっかりと値下げに対する交換条件を付す場合は契約書に明記しなければいけません。
値下げ交渉時に利用する「購入申し込み書(買付)」は法的な意味は一切持ちません。
さいごに
不動産売却では多くの物件で、値下げ交渉が行われます。
買主様のお気持ちを汲んで交渉を受けたり、上手にやりとりをして双方が気持ちの良い取引になると良いですね。
不思議なもので、値下げは一切受け付けない。という強い態度を示すと買主様が販売価格満額で承諾してくれることもあります。
大切なのは決して敵対関係ではないということです。
だって、買主様はあなたの大切な不動産を気にいってくれた方です。
できれば、大切なご縁にしたいですよね!
値下げの交渉があっても心配する必要はありません。
お金の部分は不動産会社が管理します。そのうえで納得ができる状況であれば、話を進めていけば良いだけです。