《静岡市の20代社長がおくる購入失敗事例》⑧住宅ローン控除が受けれない!?

住宅ローン

いよいよというか、ついにというか、残り1カ月と2週間ほどで消費税が8%から10%に増税されます。

何度かお伝えしておりますが、不動産購入に関しては、増税後の購入支援策がいくつか施策されますので、増税後に購入をする方がトータルでお得になるケースも多く存在します。

その支援策のひとつには「住宅ローン控除期間の拡充」があり、10年間受けられる所得税および住民税の控除が13年へ延長する措置がとられます。机上ではこの拡充だけで増税分はカバーできる計算が成り立ちます。(※諸条件はあり。)

今回はそんな支援策としても注目の住宅ローン控除についての、失敗事例です。

これは僕が融資の件を、①銀行に丸投げしてしまったこと②気付くチャンスで気づけなかったために起こってしまったことです。

持ち分の設定を確認していなかった

不動産業1年目の秋頃です。めずらしい平日の昼間のご来店のお客様でした。自動車の修理工場に勤める旦那様と時計などの装飾品を扱う会社にお勤め(パート)の奥様でした。

少し融資の面で苦労しましたが、無事に気に入った物件に出会うことができ、新築戸建をご購入いただきました。

年をまたいだ2月頃に奥様から電話がありました。「あの~住宅ローン控除が受けられないのですが、どうにかなりませんか。」え?なに?どういうこと?って感じです。

よくよく話を聞くと、「住宅ローン控除を受けられないのは奥様で、旦那様は控除を受けられる。ただし、連帯債務なので奥様も住宅ローン控除を受ける権利があるが、建物の持ち分がないので、住宅ローン控除を受けられない。」と税務署で説明を受けたとのことでした。

「あ!しまった!」と思いました。税務署で指導があった通り、持ち分がないと控除は受けられない旨を説明し、謝罪しました。

銀行に丸投げして持ち分についてお客さまと話をしたことがありませんでした。そのため、決済日まで奥様の持ち分がないことを知りませんでした。さらに、決済時に司法書士先生が持ち分を確認してくださいますが、その時にも気付くことができなかったのは、完全に勉強不足・注意不足でした。

連帯債務なら2人とも住宅ローン控除が受けられる

住宅ローンには【連帯債務】と【連帯保証】という似たようなニュアンスの言葉が存在します。

連帯債務は夫婦2人共それぞれ融資契約に責任を負います。連帯保証は主債務者が融資契約の責任を負い、その契約(返済)を保証する保証人がつきます。

住宅ローン控除においてこの2つは大きな違いがあります。連帯債務では2人ともが住宅ローン控除を受けることが出来ます。一方で、連帯保証は主債務者しか住宅ローン控除を受けられません。

そして、連帯債務では持ち分に応じて住宅ローン控除の適用がなされますので、持ち分がない場合は住宅ローン控除の対象外です。

どういうことかというと、土地建物総額4000万円の住宅を夫婦連帯債務(持ち分は2分の1づつ)で購入した場合、住宅ローン控除対象の借入額はそれぞれ2000万円になります。持ち分に応じて金額が割り振られて、住宅ローン控除の対象借入金額として計算されます。

つまり、上記の事例の場合は、旦那様の住宅ローン控除を邪魔しない範囲での持ち分を奥様に付けておくのが最も住宅ローン控除を上手く利用する方法でした。

さいごに

まさに知っていることと、実行することは違うと感じた経験でした。

いくら知識として知っていても、私用する場面に気付いてあげられないと意味がないです。

連帯債務・連帯保証で夫婦で借入れをして、不動産購入を行う方も多くいらっしゃいます。必ず持ち分の話は出ます。銀行からか不動産屋からかは分かりませんが。

その時に思い出してください。「住宅ローン控除は2人とも受けられるの?」「その場合はどういった持ち分にすれば良いの?」

連帯債務であれば、お得に住宅ローン控除を利用できる場合もありますので、しっかりと考えてご利用ください。

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