住宅ローンの豆知識
金利差が与える住宅ローン返済額の違いを検証しよう!
金利差はどこへいく?
1980年代や90年代前半に住宅ローンを組まれた方々はとても驚くかもしれませんが、現在は変動金利で 0.5% や 0.6% という金利で住宅ローンを借りることが出来ます。
公務員や上場企業にお勤めの方であれば、もっと好条件になることもあります。
いわゆる、超低金利時代です。
と言いつつも、この状況は90年代後半から続いておりますので、あまり若い方々にはピンとこないかもしれません。
私が不動産のお仕事をさせていただいてから、ずーっとこのくらいの金利情勢ですので、超低金利時代というイメージはなく、これが当たり前なようが気さえしております。
ちなみに一昔前は2%・3%なんて当たり前で、バブルの時代は6%やら7%やらが当然、最高8.5%まで上昇していたようですね。恐ろしい・・・
低金利だ!低金利だ!と騒ぎ立てる不動産会社もあるようですが、住宅ローン金利の影響ってどれくらいあるのでしょうかね。
静岡市の不動産会社ライフアーキが実際に計算してみたいと思います。
※なお、今回の金利計算等はすべて元利均等払いを前提としています。
店頭表示金利と実行金利
まず基礎知識として、店頭表示金利と実行金利の違いをお伝えしておきます。
実際に住宅を購入されて、住宅ローンを借入するときに適用される金利を、実行金利と言います。
銀行・個人にもよりますが、最近では0.5%~1%あたりが多いです。
一方の店頭表示金利は、銀行にいくと掲示してある金利です。そのまま!!笑
最近では2.5%くらいが多いでしょうかね。
この店頭表示金利は最上限という認識でOKです。
考え方としては、
〈 店頭表示金利 - 優遇率 = 実行金利 〉 という具合です。
借りる人によって、優遇率が変動してきます。
変動率はずーっと同じで、店頭表示金利が上下するので、実行金利も上下するというイメージです。
金利による返済額を計算しよう!
では実際に、条件を当てはめて計算をしてみましょう。
借入金額は静岡市で住宅ローン借入の多い金額層から分かりやすく3つの金額【 2500万円 / 3000万円 / 4000万円 】。
金利は現在の最優遇金利と、そこから1%での違いを確認できるように【 0.5% / 1%/ 1.5% 】の3パターン。
借入期間はすべて35年とします。
金利による返済額の差
金利が1%違うだけで、
◆2500万円では月額1.1万円
◆3000万円では月額1.4万円
◆4000万円では月額1.9万円
も返済が変わってきます。
月々1万円も違えば、だいぶ家計への影響が変わってきますよね!
また、いずれの金額においても、金利が1%変わるだけで、返済する利子総額は3倍以上になります。何百万円単位の差です。
月々1万円の差が35年続くと驚くの金額になっていますね。
4000万円を1.5%で借入れすると、利子返済だけで1000万円を超えてきます。
やはり金額が大きければそれだけ、金利の影響は大きく利子返済額が跳ね上がってしまします。
もうひとつ注目していただきたいのは、2500万円・金利1.5%と3000万円・金利0.5%の月額返済です。
なんと、後者の方が月額返済は少なくて済みます!!
つまり、「金利1%の差は、借入金額500万円以上の差がある」と言えます。
ともなれば、自分たちの資金計画を立てる段階で、固定金利にするのか変動金利するのか、金利何%を想定して資金計画を行うのか、ということはいかに重要なのかをご理解いただけるかと思います。
本記事の最後にお伝えしておりますが、やっぱり物件探しよりも先に銀行の事前審査を行うことが不動産購入への鍵なんです。
低金利時代はいつまで?
今後の住宅ローン金利の増減については、なんとも分かりません。
あるときを境に金利は上昇に転じるかもしれませんし、さらに下がる可能性もゼロではありません。
言えるのはいまは低金利である。ということだけです。
基本的に景気が悪いときは低金利。景気が良い時は高金利になります。
ここからは私の考えですが、おそらく当分金利は据え置きだと思います。
景気が回復しているのかいないのか分からない状況の中で、今回の新型コロナウイルスですから、金利を上げている場合ではありません。
金利を下げて借りたい方に借りてもらって、どんどん市場に資金を投入し、経済をまわしていかなければいけません。
そのため、おそらく当分は金利は上がらず低金利時代がまだまだ続くのではないかと思っています。
よくみる月々返済例
ちょっと余談ですが、不動産広告などで 【 月々返済○○○○円 】なんてのを目にしますよね。
細かく見ると、必ずその返済金額を計算した条件が書かれているはずです。
借入金額:物件の価格 金利:0.5% 期間:35年 ※借入条件は銀行や個人によって異なります。
なんてのが多いかと思います。
これらは実際にこの条件の方が多いとかではなく、単純に掲載金額が安くなるように条件を設定しているだけです。
上記例の条件では物件購入にかかる諸費用は自己資金が必要ですし、金利は最優遇金利、期間は最長期間です。
実際の買主様で表示例のようになる方は少ないのでお気を付けください。
※「不動産広告でよくある月々返済例!」でさらに細かく解説しております。
さいごに
住宅ローン借入では欠かすことの出来ない金利について考えてみました。
あらためて、金利の影響ってかなり大きいんです!!
借入期間が長期だし、借入金額も大きいので、そのぶんたった数%でも何十万円・何百万円という単位で差が出てきます。
この金利の影響を感じると、自分が住宅ローンを組むときに、何%の金利が適用されるのか心配になりませんか?
変動金利0.5%で貸してくれるのか、1%で貸してくれるのかでは、月々の支払いが7千円も変わってきます!(3000万円借入れ、35年)
同じ物件を購入するのに、金利だけでこんなにも差が出てしまうんです。
月々支払い7千円の差って大きくないですか?
だからこそ、不動産探しのスタートにまず一度、銀行の事前審査を行ってみて欲しいのです。
事前審査は希望借入額の承認・非承認だけでなく、実行金利をおおよそ教えてくれます。
早い段階で実行金利を把握していれば、不動産探しの進度も、資金計画の信頼感もグッと増してきます。
ぜひ金利の重要性を理解し、事前審査を行ってみてください。