不動産購入の豆知識
退去費用払い過ぎていませんか?
退去後の部屋
不動産業界の不透明過ぎる事のひとつといえば「アパート等退去時の退去費用」ですよね~
僕もかなりふんだくられた退去経験があります。笑
当時はまったく知識がありませんでしたので、言われるがまま納得させられた感じでした・・・・あれ悔しいですよね。
当店では売買を専門にしているので、普段扱うことはないのですが、賃貸物件を扱う会社でも働かせてもらっていましたので知識はあります。
8月の中旬に住宅を購入していただき、8月の末にお引越しを完了したお客様のアパート退去が先週金曜日にあったのですが、そこで想像以上の退去費用を請求されたようで、昨日相談を受けました。
専門外ですが退去費用について、お話してみようと思います。
退去に関しては国土交通省から「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が示されています。
基本的にはこのガイドラインに従うのですが、なんと173ページあります。
読んでいられないですよね。笑
簡潔にこんなことを覚えとくと良いよ~を抜粋してお伝えいたしますね!
経年劣化は借主様の負担外
周知の通り「経年劣化」に対する補修費用等は入居者様の負担外です。
通常の生活をしているうえで劣化はまぬがれませんので、毎月支払う家賃に経年劣化の補修費用は含まれているという考え方です。
したがって、壁紙や床・畳・ふすまの日焼け、摩耗による網戸の破れ、床や建具のすり減り、家具を置いていたことによる変色や凹凸、など通常の生活をしているうえで避けることの出来ない劣化は退去費用外です。
よくある冷蔵庫の裏のクロス焼けなんかも、負担しなくてOKです。
難しいのがクロスや床のキズです。このあたりは経過年数による残存価値の問題もあるので、このあと詳しく触れます。
耐用年数が設定されている
クロスや壁のキズは判断が難しい部分です。
引越しで家具などをぶつけてしまった壁紙のキズなどは借主様負担となります。
しかしながら、壁紙やクッションフロア、様々な住宅設備には耐用年数が定められています。
たとえば、壁紙は耐用年数が6年で、6年後には残存価値が1円になると設定されています。
つまり、6年住んだ部屋の壁紙は1円の価値しか残らず、費用を請求されるとしても1円だよ~ということです。
結果的に居住年数にもよりますが、多少のキズは請求をしません(僕が勤めていた会社はそうでした)。
1年しか住んでいないのに壁紙がキズだらけの場合は部分部分での請求をいただきますが、10年住んでいただいた部屋の壁紙がキズだらけでも許容するよって感じです。
壁紙、クッションフロア(トイレや洗面脱衣室の床に使われる)は耐用年数6年です。
3年で退去した場合は、修繕にかかる費用の半分を負担すれば良いわけです。
修繕単位も覚えておきましょう!
国土交通省のガイドラインでは、修繕を行う単位も指針を示してあります。
たとえば、壁紙は「㎡単位が望ましいが、賃借人が毀損した箇所を含む一面分までは張替え費用を賃借人負担としてもやむをえないとする。 」とされています。
東側の壁に1箇所キズがあったら、東側の壁を張り替える費用を請求してもOKですよ~できれば1㎡だけが望ましいけど!
ってことです。
1箇所のキズで室内クロス全部張替え、借主様の費用負担!は国土交通省のガイドラインから外れますので、お断りしてOKです。
壁紙だけでなくフローリングは㎡単位、畳や襖は1枚単位など、それぞれに対して修繕の単位を示してあります。(ガイドラインの P26)
過失や管理怠慢は請求される
へこんだ壁
今度は逆に借主様の負担する費用についてです。
通常の生活を送っていたら、ほとんど退去費用はかかりません。
借主様が負担する費用は、故意にキズをつけたなどの過失および管理怠慢による劣化です。
・壁を殴ってへこませた。
・重いものを落として床を傷つけた。
・こぼした飲み物を放置してシミをつけた。
・掃除をせずにキッチンを錆びさせた。
・雨漏りを報告せず建物内部や壁紙を腐らせた。
など、故意でなくともキズをつけてしまった場合や掃除や報告を怠った場合は、その責任は借主様にあります。
清掃費用を退去費用に組み込みことが多いですが、本来は綺麗に使用をしていれば清掃費用はかかりません。
タバコはNG
タバコだけは本当に注意してください!
タバコによる変色や臭いは通常の生活による劣化には含まれません。
つまり、何年住んでいようが壁紙の張替え費用が請求されます。
くわえて、消臭費用もかかります。臭いはかなり厄介で、壁紙を張り替えても臭いが取れません。専用の消臭清掃をしなければいけません。
何も気にせず室内でタバコを吸っていると、入居時にお預けした敷金2カ月では足りません。追加で退去費用を請求されます。要注意!!
さいごに
国土交通省のガイドラインが173ページありますので、この説明は本当に一部分だけです。
それでも内容は多いので簡単に振り返っておきます!
◆経年劣化は支払わなくて良い
◆耐用年数が定められており、それに応じた価格割合で精算すれば良い
◆修繕をする単位も指針が示されている
◆タバコはほんとダメ!
これさえ覚えておけばOKです。
普通に生活をしている方はほとんどが退去費用はかかりません。
清掃費用がかかるだけです(契約内容による)。
とはいっても、これらはあくまでガイドライン、契約書で取決めをしていれば従わなくてはいけません。
退去費用との戦いは入居前からはじまっているのかもしれません!