不動産購入の豆知識
住宅ローン控除を13年受けられる適用要件が新型コロナウイルスの影響で弾力化
ローン控除
2020年12月末までの入居が条件となっていた、「住宅ローン控除の控除期間拡充」は、新型コロナウイルスの影響を考慮され、期限がおよそ1年間延長されそうです。
新型コロナウイルスの影響で、建築資材・建材が入ってこず工期に遅れが生じている現場も多く、期限である2020年12月末までの入居が困難なケースが多発することを考慮して、国土交通省から期限1年延長の弾力化措置が発表されました。
国会での成立が前提となりますが、おそらく近いうちに正式発表となると思われます。
2020年12月末の入居をにらんで動いておられた方も、この時期に無理して動く必要がなくなりましたので、一安心ですね。
詳細の期日や条件も報道発表されていますので、お伝えします。
そもそも「住宅ローン控除の控除期間拡充」とは
現行の住宅ローン控除では、住宅購入から10年間にわたって年末の住宅ローン残高の1%を、所得税および住民税から控除することができます。
控除の上限額は年間40万円(認定長期優良住宅等は50万円)で、所得税から控除しきれない分は住民税から控除します。(上限額は13万6500円もしくは、所得税の課税所得金額の7%の少ない方)
さらに、消費税10%が適用される住宅を取得した場合は、控除期間を10年⇒13年に延長する特約 が存在しています。
この特約が「住宅ローン控除の控除期間拡充」です。
拡充された11年目~13年目の3年間は、1年目~10年目と控除額が異なり、下記2条件のうちの小さい額が採用されます。
1)住宅ローンの年末残高か住宅の取得対価のうち少ない方の金額(最大4000万円×1%)
2)建物購入価額(一般住宅は最大4000万円、新築・未使用の長期優良住宅、低炭素住宅の場合はそれぞれ3000万円、5000万円)×2%÷3
拡充された3年間で最大80万円(一般住宅の場合)が控除されます。
8%⇒10%に消費税が引き上げられたことに伴う特例なので、延長期間の3年で引き上げられた2%分が税額控除として戻ってくるようなイメージです。
新築住宅は契約の期日がポイント
「住宅ローン控除の控除期間拡充」の特例は、2020年12月末までの入居を対象に受ける事ができました。
しかしながら、ニュース等でも取り上げられているように、今回の新型コロナウイルスの影響でトイレや住宅資材の納入がストップしてしまい、すでに新築工事やリフォーム工事に大幅な遅れが生じております。
こういった工期の遅れに対応するべく、「住宅ローン控除の控除期間拡充」の特例は期日を1年延長することになりそうです。
2021年12月末までの入居で対象となります。
ただし、一定期日までに契約を済ませることという条件が加わりました。
◆注文住宅の場合 2020年9月末まで
◆分譲住宅・既存住宅の場合 2020年11月末まで
間違えないでくださいね。入居の期日は2021年12月末ですが、契約期日は2020年9月末・11月末です。
1年以上の差があります。
あくまで、工期の遅れに対応する期日延長という考えが伝わってきますね!
中古住宅+リフォームでも対象
中古住宅でも、売主が不動産会社等の事業者の場合は消費税がかかります。
消費税10%が適用される物件であれば、「住宅ローン控除の控除期間拡充」特例の対象となります。
本来は、住宅取得日から6ヵ月以内の入居という適用条件がついています。
これは中古住宅取得後にリフォームやリノベーションを行うことを考慮した期日設定です。
しかしながら、リフォームでも工期の遅れは生じておりますので、こちらも適用条件を緩和することで落ち着きそうです。
新たな適用条件を以下に示します。
◆下記のいずれかの期日までに増改築等の契約が行われていること。
・中古住宅取得の日から5カ月後まで
・関連税制法案の施行の日から2カ月後まで
新築同様に、あくまで新型コロナウイルスの影響で工期に遅れが生じ、入居が従来の期日に間に合わない場合に対応することを前提とされています。
さいごに
注文住宅で2020年12月末までの入居を考えると、6月中に土地取得を済ませないといけませんので、スケジュール的にカツカツでした。
そのため、このような情勢の中でも土地を探すべく動かれていた方も多くいらっしゃるかと思います。
安心してください!
9月末までに契約を済ませればOKとなりましたので、時間的な余裕ができ、無理して今の情勢のなか土地探しを行わなくても大丈夫です。
とはいえ、新たに付された条件がありますので、純粋に1年間延長されたというわけではありません。
実は私も最初間違えて、来年(2021年)の9月末・11月末までに契約すれば良いなんてめちゃ余裕くれた~。なんて勘違いしていました。笑
来年12月末までの入居ですが、契約は今年の9月末・11月末なのでここは要注意ですよ!
また、これらは国土交通省から報道発表された内容ですが、まだ正式に国会で承認を得た訳ではありませんので、変更がある場合があります。
報道発表についての詳細は下記よりご確認ください。
【国土交通省 報道発表資料/住宅ローン控除の適用要件が弾力化されます。】