消防団の今後について考える機会がありました

静岡市消防団清水第13分団の消防車両

一昨日は地元消防団の定例活動日でした。

毎月1日10日20日(土日の場合は翌平日)に定例で活動を行っており、消防車の動作確認や備品の点検、消火栓の点検などを行っております。

一昨日は定例活動後に、班長会がありました。班長会とは各部の班長が集まり、今後の訓練や団員増加に向けての話し合いを行う集いです。

静岡市清水消防団第13分団は5つの部に分かれており、各部2~3名の班長がいます。一昨日は10名の班長が集まって今後に向けた話し合いを行いました。

その話し合いのほんの一部ですが、消防団の現状を少しでも知っていただけたらと思って、お伝えさせてください。

訓練も同一条件下ばかりになってしまう

万が一の場合に備えて、訓練は欠かすことができません。

訓練について考えると、どうしても訓練場所や訓練内容の問題が浮上します。

静岡市消防団清水第13分団では草薙団地脇の土地改良区内の草薙川を利用して訓練をさせていただいております。

川の水を利用する自然水利という放水活動の水源のとり方です。僕が入団をしたときから、この場所・この方法で訓練をしています。その中で役回りや中継などをして訓練内容を少しづつ替えて行っています。

ですが、実際の火災現場では消火栓から水利を確保することがほとんどです。

すると、いざという時に消火栓の利用方法が分からないという問題が発生する可能性があります。しかしながら、訓練で消火栓を利用することは禁止されています。

もちろん13分団でも消火栓を使う場合は、どのように蓋を開けて、接続をして、放水をするのかを実物の消火栓を見ながら勉強しています。でも、僕は実際に消火栓から水を出したことは、一度もありません。

他の団員もベテランさんか、火事場で先着した方々以外はほとんど経験のない事ではないかと思います。

どうしようもない事であるのは理解できますが、当事者としては若干の不安があるのも恥ずかしながら事実ではあります。

もし可能であれば、自治体や市などの協力が多少でもあると助かるな~というのが本音です。

消防団員不足も顕著になってきてしまいました。

消防団員不足の問題も深刻です。

大きな部分では、消防車は3人以上いないと、緊急走行をすることが出来ません。つまり一般車と同じように信号で止まって現場に向かうしかありません。

一分一秒を争う時にそんなんでは役に立ちません。どんな時でも、何が何でも万が一の際は各部の消防小屋に3人以上集めなくてはなりません。そのためには、現状の人数ではどうしても不足が出てしまうリスクがあります。

また、活動は消防団全体の訓練や地元のお祭りの警備、消防大会など多岐に渡ります。

みんな仕事の傍らで消防団として活動しているため、どうしても人手不足になってしまいます。そのシワ寄せは現役消防団員にのしかかってきますので、こういった面からも消防団員の募集は急務です。

ただ、こちらも昔と状況が異なりますので、直接訪問して勧誘することは出来ず、なかなか消防団という存在自体も認知してもらっていないのが現状です。

各分団に資金があるわけでもなく、静岡市が人員募集に注力してくれている感じもなく、各分団自己責任のような状況になってしまっています。そのわりに、あれはするなこれはするなの制限は多くなってきてしまっています。

もちろん専業の消防団員もいないため、そこに優先的に時間を割いていくこともなかなかできず、長年貢献してくださっているベテランさんを引き留めることで何とか活動を起こしていっているような状況です。

消防団が活躍しないことがベストですが・・・

台風19号の警戒活動や被災地での活動はもちろん、山梨県で小学校1年生の女児が行方不明になった際にも消防団は捜索に参加しています。

どうしても、フォーカスされることはありませんし、フォーカスされないことがベストではあります。

ただ、万が一に備えてしっかりと活動をしています。

一年間無火災無災害であれば、皆さんの目にとまるのは、防災訓練の時くらいかもしれません。それでも、容易に欠かすことは出来ない集団であるとご理解いただき、少しでもご協力いただけると幸いです。

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