不動産買取で家を売る?不動産仲介で家を売る?|あなたに合った売却方法を解説
不動産の売却には「買取」と「仲介」という2つの方法が存在します。
互いに異なる魅力を持ち合わせており、どちらの方法を選択するかで、不動産売却の結果は大きく変わってきます。
本記事では、それぞれの売却方法の特徴をお伝えした上で、どういったケースで買取をおすすめするのか、どういったケースで仲介をおすすめするのかを解説します。
しっかりとそれぞれの特徴を理解して、自分たちの売却目的にあった方法で売却を進めていけるようしましょう。
買取はスピード◎条件◎ 仲介は価格◎
不動産買取 ⇒ 価格△ 現金化のスピード◎ 契約条件の要望◎
不動産仲介 ⇒ 価格◎ 現金化のスピード△ 契約条件の要望△
イメージとしてはこれでOKです。
売却価格が下がるけど融通が利くのが不動産買取、売却価格は相場を維持できるけど融通が利きづらいのが不動産仲介です。
買取と仲介は、まさに表と裏の関係です。
価格を求めるのか、スケジュールや売却都合を求めるのか。
どちらの売却方法を選択するのかは、目的によって変わってきます。
不動産買取で家を売る
不動産買取とは、不動産会社が買主となる売却方法です。
特徴は、価格△ 現金化のスピード◎ 契約条件の要望◎ です。
価格△
◆ 広い土地を買い取って整地をして複数分譲地として売る。
◆ 土地を買い取って建物を建築して建売として売る。
◆ 中古住宅を買い取ってリフォームを施して売る。
不動産会社は再販売を目的に不動産を買い取ります。
再販売を目的とした事業ですので、転売利益を確保しなければいけません。
安く仕入れて高く売る。商売の鉄則ですよね。
とはいえ、不動産には相場が存在しており、高く売るにも限度があります。
そのため、必然的に買取価格は相場価格よりも低く提示されてしまいます。
なお、買取価格に目安は存在しません。ネットなどでは仲介価格の60%~80%との記載が多いですが、あてにしないでください。
買取価格は逆算で計算します。
相場価格 - 整地費用(リフォーム費用) - 利益 = 買取価格 です。
再販売がいくらで売れる。 ⇒ 商品化(整地やリフォーム)にいくら経費が掛かる。 ⇒ 利益を何%確保する。 ⇒ いくらで買取れば事業として成立する。 という計算です。
会社によって利益率は違いますし、物件ごとに商品化にかかる経費も異なります。
そのため不動産買取では、目安ではなく複数社の買取価格を比較することで、価格の整合性をはかっていきましょう。
現金化のスピード◎ 契約条件の要望◎
利益が確保できる算段がつけば不動産会社は買取りを行いますので、早ければ1~2日で価格提示をしてくれます。
さらには、融資でつまづく心配もありませんので、かなりのスピードで現金化を実現することが出来ます。
ご相談から8日。これが私の経験では最短の現金化です。
このスピード感は買取ならでは!です。
また、契約に際する諸条件を要望できるのも、買主が不動産のプロである買取の強みです。
たとえば、「引渡し猶予」。
住み替えの場合に利用する条件で、仮住まいが不要になります。
引渡し猶予の詳細⇒『「引渡し猶予」という方法 【住替え向け】』
他にも「契約不適合責任の免責」や「建物内残置物多数での現況引渡し」など、売主様のご都合に合わせた契約条件を要望することができます。
不動産仲介で家を売る
売主様から依頼を受けた不動産会社が購入希望者を探してきます。
特徴は、価格◎ 現金化のスピード△ 契約条件の要望△ です。
価格◎
仲介での不動産売却は、売主様の希望価格で買主様を待つことが出来ます。
もちろん不動産には相場がありますので、著しく高い物件は売却に至りませんが、一定の需要があるエリアでは、相場価格で待てばほぼ売れます。
買取と異なり、相場の価格での売却となることが多く、高く売りたい場合は仲介での売却を選択するのが良いです。
現金化のスピード△ 契約条件の要望△
一方で、価格以外の面は買主様が表れるまでは、すべてが不透明です。
誰が・いつ・いくらで買ってくれるのかは、その時が来るまで全く分かりません。
1週間で売れることもあれば、1年以上売れないこともあります。
購入希望者が表れたとしても、住宅ローンでつまづいてしまい、解約となる可能性もあります。
また契約条件に関しても、売主様に有利な条件は受け入れてもらえません。
たとえば、「契約不適合責任の免責」。
契約不適合責任の詳細⇒『【売主様必読!】 不動産売却に付帯する「契約不適合責任」についての解説』
契約不適合責任は免責なので、もしも物件購入後に雨漏りが見つかっても、売主は責任を持ちませんよ~!
↑これでは、買主様は恐くて購入に踏み切れないですよね。
このような契約条件に関しても、売主様の要望を叶えられるとは限りません。
買取と仲介を6つの視点から比較
不動産買取と仲介の違いをより分かりやすくするため、6つの視点から表で比較してみましょう。
買主、売却価格、売却期間、契約不適合責任(契約条件)については上述した通りです。
不動産買取の場合は表に情報が出回ることなく売却が成立しますので、ご近所さんに売却を知られたくない。という方からの需要もあります。
また住み替え計画では、旧住まいがいつ・いくらで売れるのかが、スケジュール管理と資金管理の面から非常に重要となります。
不動産買取であれば、いつ・いくらでの売却になるのかすぐに分かりますが、仲介の場合は買主様が表れるまでは何も分かりません。
そのため、不動産買取と仲介では、住み替え計画の立てやすさが全然異なります。
特に旧住まいに住宅ローンが残っている場合は、不動産買取で進めた方が住み替え計画全体としては上手に進むことが多いです。
あなたは不動産買取で売る?不動産仲介で売る?
ここまで不動産買取と仲介の特徴をご説明してきました。
それでは実際にどんな場合は不動産買取での売却がおすすめで、
どんな場合は仲介による売却がおすすめなのかを解説していきます。
不動産買取がおすすめ
◆ 土地が広く一般向けの需要が少ない
◆ 住み替えで、住み替え前の住まいに住宅ローンが残っている
◆ ご近所さんに売却中であることを知られたくない
◆ 仲介による売却での需要が見込めないエリア
◆ 長年空き家になっていて建物に不具合がある可能性が否定できない
このような場合では不動産買取での売却がおすすめです。
売却金額は低くなってしまいますが、それ以外の部分で恩恵を受けたい場合ですね。
※不動産買取をお任せする不動産会社の選び方は『不動産買取は買取業者1社と仲介会社1社に依頼しましょう』で解説しています。
ちなみに広い敷地は個人で分譲をして売ることが出来ないので、ほとんどのケースで買取での売却となります。
※詳細は『ひろ~い敷地を売る時は不動産買取がメインになるので納得のいく価格に届かない可能性が・・・・』より
仲介による売却がおすすめ
◆ 余裕を持った売却期間を設定できる
◆ 時間がかかっても高く売却したい
◆ 築年数の新しい中古住宅
◆ 物件数の少ない人気エリア
このような場合では仲介での売却がおすすめです。
価格が最優先!多少時間がかかってもOK!比較的人気エリアにある!
なんて場合は仲介での売却が第一となってきます。
また築年数の浅い中古住宅の場合は、買取に向いていませんので仲介での売却が一般的になります。これは住宅ローンの残債やリフォーム不要であることなどが関係しています。
まとめ:価格最優先は仲介、その他条件は買取がおすすめ
不動産買取は、価格こそ相場よりも低くなってしまいますが、それ以外の条件は売主様のご都合に合わせることが可能です。
スピード感のある現金化であったり、様々な契約条件を付することも可能なため、価格以外に優先したい事項がある方などに選択されています。
一方の仲介による売却では、相場の価格で売却を行うことが可能です。
ただし、一般個人が買主となるため、売却時期や価格は売れるまで分かりません。
時間的な余裕があり、少しでも高く売却したい方には仲介による売却がおすすめです。
ちなみに、両方を掛け合わせた「買取保証制度」なんてのもあります。
仲介で売却活動を行い、一定期間売却できなかったら定められた金額で買取をしてもらうことです。
相続税の支払いなど、ある程度売却までの期間が決まっているけど、期限が直近ではない場合に有効な制度です。
不動産買取での売却か、仲介での売却か。けっこう大きな分かれ道であったりします。
しっかりと双方の特徴を理解して、自身の売却目的にあった不動産売却方法を選択できると良いですね。

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