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2020年12月15日
不動産売却

3000万円特別控除は相続後には使えない?

不動産を売却して利益が生じた場合は、譲渡税がかかってきます。

しかしながら、自分が住んでいる家を売却する時には居住用財産の3000万円特別控除を適用することにより、譲渡税を控除することが可能です。

では、相続により取得した実家を売却するときは譲渡税の控除は可能なのでしょうか?

これは個別事情により異なります。


本記事では「居住用財産の3000万円特別控除」「空き家の3000万円特別控除」それぞれの控除と相続との関係を解説いたします。


譲渡税の詳しい解説は『不動産売却で生じた売却益にかかる税金はどのくらい?』で行っています。

相続後は居住用財産の3000万円控除を使えない?

「居住用財産の3000万円特別控除」は、所有者が自宅として使っている家や土地を売却することが条件になります。

そのため、相続前から同居をしている場合でないと適用が出来ません。


たとえば下図のように、父所有の実家に父と子で同居をしている場合には、父 ⇒ 子 への相続後「居住用財産の3000万円特別控除」を利用して子が自宅を売却をすることが出来ます。

しかしながら下図のように、父と子が別居していた場合には「居住用財産の3000万円特別控除」は適用できません。


つまり、同居人がおらず相続後に空き家になってしまう場合には「居住用財産の3000万円特別控除」は適用が受けられません。


これを事前に知っているかどうかで、相続前に売る or 相続後に売るかの選択が大きく変わってきますし、居住用財産の3000万円特別控除の適用が受けられるかどうかで、譲渡税の金額は何百万円も変わってきます。

高齢のご両親がひとり暮らしをされている方は、必ず知っておくべき不動産売却における税金の知識です。

相続した空き家にも3000万円控除が利用できる特例

あまり知られていませんが、相続前に同居をしていなくとも、相続した空き家の売却で3000万円の特別控除が受けられるようになりました。
※平成27年の税制改正による。平成31年12月末までの売却が条件でしたが、令和5年12月末までの売却に延長されました。

これは「空き家の3000万円特別控除」と呼ばれています。


相続後に売却を行ったがために、何百万円も譲渡税を支払ってきた方をみていたので、売主様にとって非常に有効な控除が出来たな~と思いました。

しかしながら、実際にはいくつかの条件があり、平成27年の法改正から5年間、まだ3件しか適用案件に出会っていません。

空き家の3000万円特別控除の適用条件

・昭和56年5月31日以前に建築確認を取得した建物であること

・亡くなった方がひとりで住んでいたこと

・リフォームを行い耐震基準に適合する or 建物を取り壊して土地として販売すること

・売却価格が1億円以下であること

などが条件です。


そもそもが旧耐震基準の住宅でなければ、適用が受けられません。そのくせ旧耐震基準のままでは適用が受けられません。

一定の耐震基準を満たすために耐震リフォームを行うか、建物を解体して土地として売却しなければならないのです。

昭和56年となれば、令和2年現在で築38年の建物です。
ほとんどのケースで、建物を解体して土地としての売却になってきます。

そのため、物件ごとに異なりますが100万円~150万円ほどの建物解体費用が必要になってしまいます。

老人ホームへの入居により3000万円控除が受けられなかったケース

居住用財産の3000万円特別控除は、所有者が自宅として使っていた家や土地を売却する時にしか適用ができません。

過去に、この条件により3000万円控除を受けられなかったお客様のケースを紹介します。

特別養護老人ホームに入所していたため、3000万円の適用外となってしまった事例です。


ご相談者様は50歳前半の息子様。

息子様はご自身で世帯を持ち、お父様はご実家、お母様は4年ほど前から特別養護老人ホームに入所しておりました。

そんななかでお父様が他界。

ご実家の売却をしようとご相談をいただきました。

しかしながら、この場合にはお母様も息子様も居住用財産の3000万円特別控除を利用することが出来ません。

老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などが生活の主となるため、たとえ住民票を自宅に残していようと、住んでいるとは認められないのです。


昭和60年築の建物で、土地の取得費用も分からなかったため、このケースでは譲渡税がかかってしまう結果となってしまいました。

まとめ:3000万円控除の適用には相続前の売却が良い

ここまでお話をしてきたように、3000万円控除を適用するには圧倒的に相続後よりも相続前の売却がおすすめです。


とは言っても、所詮は不動産売却の譲渡税の話だけです。

相続税を考慮すると、相続後の売却の方がお得になる場合もあります。

実際にはお金だけの話ではなく、住み慣れた我が家で人生を終えたいというお気持ちの方は多く、個人的にはそっちの気持ちの方が尊重するべきかな~と思っています。


しかしながら、3000万円控除の適用有無によっては、最大で約1200万円もの譲渡税支払いが変わってくるものです。

どうしたいか。というお気持ちは別として、どうなるのか。という税金面の控除は把握しておくべきだと思います。


最終的には個別事情によって、最善の策は変わってきます。
節税対策や細かい計算などは必ず税理士先生に確認をして下さいね。

この記事を書いた人
内藤 文弥 ナイトウ フミヤ
内藤 文弥
不動産売買店 ライフアーキ代表 / 有度二小 - 清水七中 - 静岡東高 - 山口大学工学部卒 / 見た目は大柄ですが声が高めで恐くない / 髭が濃い / 2019年はゴルフに注力。スコア95を目指します。現在ベストスコア97。ついに100きり / お酒も好きで飲みに行くことも多い / 地元消防団に加入しており、日々活動しております。消防団員も随時募集中です!!
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