銀行は返済比率と審査金利を用いて借入可能額を審査します

住宅ローン

住宅ローンでは、月々の返済額から借入金額を逆算していくことが一般的です。

しかしながら、それだけでは万全ではありません。

逆算して出てきた金額を、実際に借りられるかという視点も重要になってきます。

いくら返済の目途が立っていようとも、銀行が貸してくれなければ元も子もありません。

では、銀行はいったいどのような基準で貸してくれる金額を計算するのでしょう。

静岡市の不動産会社ライフアーキが、銀行からの【 借入可能額 】の計算について、ご説明いたします。

個人信用情報と健康状態は大前提

借入可能額の計算の前に、大前提として「個人信用情報」と「健康状態」はクリアしていただかなければいけません。

個人信用情報について

個人信用情報とは過去の金融取引の記録です。

過去の借入金額、返済の状況、滞納・延滞の記録、残債など様々な情報が記録されています。

個人信用情報に問題があると、たとえ年収1000万円を超えていようが、銀行はお金を貸してくれません。

具体的には、踏み倒し、過払い金請求、滞納が3ヵ月続いた、などの場合は、ほぼアウトです。

「ほとんど使っていなかったので銀行残高を確認していなかった。」

「財布を落としてクレジットカードを再発行していたが、登録情報を変更していなくて引落しがされていなかった。」

「よくみるアディーレ法律事務所のCMで、あわよくばの気持ちで過払い金請求をしてみた。」

なんてケースも過去にありましたが、滞納などの理由は銀行は考慮してくれません。

個人信用情報に問題があると問答無用で融資はNGとなってしまいます。

借入可能額どうこうの前に、借入ができませんので、この個人信用情報のクリアは大前提としてください。

健康状態について

住宅ローンを借入れする際には、団体信用生命保険への加入が必須条件となります(※フラット35は除く)。

団体信用生命保険とは、ローン債務者(借入人)が死亡もしくは高度障害を負ってしまった場合に、残りの住宅ローンがチャラになる制度です。

生命保険の一種なので、利用開始時の健康状態を告知しなければなりません。
もちろん、一般の生命保険と同じように、健康状態がよろしくなければ、加入が出来ません。

団体信用生命保険に加入が出来ないということは、住宅ローンの借り入れができない、ということに直結してしまいます。

住宅ローンを利用する場合には、この健康状態もしっかりとチェックしておかなければなりません。

返済比率が融資の上限額を定める

「返済比率」とは、年収に対する借入返済額の割合です。

年収(税引き前)1000万円のかたが、毎月20万円(年間240万円)を借入金の返済に充てている場合は、返済比率は24%となります。

この返済比率は一般的に上限が30%~35%で設定されています。

この返済比率が大きいと、収入に対しての借入額が多いと判断されてしまい、希望額の借入れができません。

借入は住宅ローンだけでなく、車のローン、リボ払い、キャッシングカード、携帯電話本体の分割払いなども借入として判断されますので、ご注意ください。

年収に対して返済額を規制している返済比率は、むやみに返済が困難になるような借入を規制しています。

銀行や個人によって設定される割合が違えど、あくまで年収に対しての返済比率。これが借入可能額を制限しています。

厳しい審査金利でリスクに備えた余力を確保

超低金利時代の最近は0.5%~1%(変動)の金利が当たり前です。

そんななか、審査金利は銀行によりますが、多くが3%~3.5%が用いられています。

実際に適用される金利よりも、圧倒的に高めの金利が審査時の計算に用いられているのです。

そうすることにより、審査が厳しくなり、変動金利の上昇や収入の減少などのリスクにも対応できる余力を確保することができます。

銀行としてもしっかりと住宅ローンを完済してもらわなければ困りますので、条件を多少厳しくしてもOKな人でないと貸し出しをしないのです。

その条件を厳しくする役目を担うのが、適用金利よりも断然高い審査金利なのです。

実際に計算してみよう!

では、返済比率と審査金利に着目して、実際に借入可能額を計算してみましょう。

下記の条件で、借入可能額を計算するとします。

◆税抜き前年収480万円

◆車のローンあり 月々3万円

◆返済比率35%

◆審査金利3.5%


(480万円÷12ヵ月) × 35% = 14万円 ⇒ 1カ月でローン返済に充てられる上限金額

14万円 - 3万円 = 11万円 ⇒ 月々11万円の返済までローンが組める!


月額11万円 / 借入35年 / 審査金利3.5% から借入可能額を算出

 ⇒ 約2661万円の借入れまで可能



※ここからは少し余談です。

実際に2661万円を、35年、金利1%で借りた場合は、

月々の返済額は約75,000円です。

金利が2.5%違えば、11万円の月額返済が7.5万円まで下がります。

改めて計算すると、金利の差がどれだけ影響を与えるのか実感しますね。

さいごに

銀行が住宅ローン審査の際に計算する方法をご紹介いたしました。

実務では、個人信用情報の問題もありますので、無理のない月額返済から逆算した住宅ローン借入金額で、事前審査を行うのがベストです。

事前審査は無料ですし、3日あれば結果が分かります。

予算は住宅購入でもっとも変更の利かない絶対条件です。
返済をすることができる金額をベースに、その金額を借りられるのか。という観点も非常に重要です。

事前審査を活用して、綿密で精度の高い資金計画を行い、上手に住宅購入をすすめていきましょう!

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