住宅ローンの豆知識
こんな「まさか」がありました【金融業のブラックリストの存在】
カード会社からの通知
「ブラックリスト」なんて言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
これから悪いことをする人がもっていそう!、昔の映画で出てきそう!、なんてイメージがありますよね。
でも映画の世界や漫画の世界でしか聞くことのない言葉で、あまり実生活には馴染みのないことなです。
でも実は、金融業界に、このブラックリストが存在します。
正確にはそんなリストがあるわけではないのですが、個人信用情報に問題がある人を「ブラックリストにのっている」なんて言ったりします。
個人信用情報とは、信用情報機関に掲載されている情報のことです。
過去の借金やローン返済状況、債務整理、自己破産、クレジットカードの支払い状況など様々な金融取引の記録が登録されています。
この登録されている記録が芳しくない状況を「個人信用情報に問題がある」=「ブラックリストにのっている」と表現しています。
では、この「ブラックリストにのっている」という状況は住宅購入時にどんな影響があるのでしょうか。
目次
ブラックリストに載るとローンが借りられない
かなり注釈が必要になりますが、ブラックリストにのったら新規の借入れは難しく、ローンを組むことはできません。
そりゃあ返済に不安のある方にはお金を貸したくありませんよね。
銀行も同じで、住宅ローンの審査を行うときには、必ず個人信用情報を取得します。
過去に滞納等の記録がある人や、自己破産の経歴がある場合には、大金を貸すことにリスクが伴いますので、銀行はお金を貸すことに消極的になります。
でも、何十年も生きていれば口座にお金を入れておくのを忘れてしまうこともあるかもしれませんよね。
安心してください。滞納の記録は一度ならマイナスポイントくらいで済むこともあります。しかしながら、年に複数回繰り返していると、これまたお金を借りられません。
そして、めちゃくちゃ意外なことに家賃の滞納はセーフです。笑
と言っても、金融関係のブラックリストに載らないだけで、家賃保証のブラックリストに載るので、家が借りられなくなります!!
あとは、光熱費や保険の支払いなどもブラックリストには載りません。
3ヵ月の滞納で記録が残る
THE ブラックリスト
そもそも「ブラックリストにのる」=「個人信用情報に問題がある」って言っても、なにをもって問題があると判断するんでしょう。
たとえば、交通事故にあってしまって1カ月入院をしており、家賃の振込が出来なかった・・・・・
こんな場合でも、ブラックリストにのってしまうんでしょうか。
1カ月の滞納であれば、さほど心配はいりません。
上記のようなケースや、口座への入金を忘れてしまったケースもあります。
あくまでひとつの目安ですが、2カ月で要注意・3ヵ月でアウトです。
基本的に3ヵ月以上の滞納や延滞は、個人信用情報機関にその情報が記録されていると考えた方が良いです。
これまでの経験上、意外と多いのは「携帯料金」と「奨学金」です。
いまはメインで使っていない口座を引落口座として利用していて、入金を忘れていた!なんてことがたまにあります。
債務整理は一発アウト
自己破産や任意整理、個人再生などの債務整理と言われる行為を行った場合は、一発でアウトです。
お金を借りることは出来ません。
約束して借りたお金を返さなかったわけですから、当然っちゃ当然ですよね。
ただし、個人信用情報への掲載期間がありますので、その期間を過ぎれば借入を行うことも可能になります。
最短でも5年、最長だと10年です。
債務整理を行った場合は、少なくとも5年間は借入れが出来ません。
個人信用情報で審査NGになった「まさか」の事例①
過去にお客様の事例で、思いもよらぬ「まさか」の事例がありました。
6年ほど前です。
とあるお客様がなぜだか、事前審査でNGとなってしまった事がありました。
当時はまだ銀行担当者さんからNGの理由を聞かせてもらえる時代でしたので聞いてみると、個信(個人信用情報の略)でNGです。との回答が!!
事前にブラックリストの話や滞納などを確認したところ、全く問題なかったのになぜだろうと、不思議でした。
そこから色々と調べてみると、「まさか」の理由が浮上しました。
それはクレジットカードの複数同時申込です。
これ実は、ブラックリストに載るんです!当時は知りませんでした。
クレジットカードは後払いのうえに、キャッシング機能が付いているカードも多くあります。
それらを一気に何枚も申し込むということは、金融機関からすると怪しさ満天ですよね・・・・だから、やめてください。
個人信用情報で審査NGになった「まさか」の事例②
もうひとつ、私の中で印象深い「まさか」の個人信用情報の審査NGがありましたので、ご紹介いたします。
過去に自己破産を申請したことのあるお客様でした。
自己破産したということは、何年間は記録が残ってしまうんでしたっけ?
そうですね~最短5年、長ければ10年です。
この方は当時41歳、自己破産を申請したのは27歳か28歳のとき!
てことは・・・・・セーフ!記録消えてるやん!!です。
自己破産以降の13年間に滞納などの記録もなさそうだし、自信満々に事前審査を提出しました。
結果は・・・・・「個信(個人信用情報の略)でNGです。」
※そうです。先ほどの事例と同じ銀行担当者さんです。笑
そんなはずはない。と思い、個人信用情報を取得していただき、チェックしました。
うんっ、問題ない。なんとも綺麗な個人信用情報でしたよ~
では、なんで審査NGになったのでしょうか。
実はこの方、5年ほど前に一度住宅購入を考えて、事前審査を出されていました。
そのときはまだ個人信用情報に自己破産の記録が残っていてNGだったようです。
そして5年後の今回。個人信用情報は綺麗になりました。
しかしながら、「まさか」の見落としがあったのです。
それは、銀行(正確には保証会社)に残っていた「5年前に審査NGとなった記録」です。
審査をする銀行の担当者は「年齢は高めだけど、問題はなさそうだな~。・・・んん、おやおや5年前に事前審査NGとなっているじゃないか。なぜだろう、調べてみるか。」となります。
5年前の事前審査の記録には、自己破産をして個人信用情報でNGになった。という内容がバッチリ残っているので、いまの個人信用情報には記録が消えていても、審査がNGとなってしまったわけです。
この件は銀行の担当者さんも審査NGの理由が分かっていませんでした、5年前に事前審査を行わなかった銀行(保証会社)では、無事に審査が通って借りられましたので、おそらく上述の理由で間違いないと思います。
ブラックリストに載ってしまった場合は、記録が残っている期間だけでなく、審査をした記録にも注意しなければいけません!
CMでよく見る過払い金請求
”アディーレ法律事務所”
何だか聞いたことのある社名ですよね。
CMでよく聞く「過払い金請求」です。思い出しましたか?
結構人気みたいで、利用者も多いみたいですね。
ご安心ください。この過払い金請求はブラックリストには載りません。
ただし、系列会社からの借入れは一切できません。
アコム ⇒ 三菱UFJ銀行系列
レイク ⇒ 新生銀行系列
プロミス ⇒ 三井住友銀行系列
などです。
ですので、あまり心配いりません。
その銀行を避ければOKです!
さいごに
個人信用情報は自分には関係ないと思っていても、「まさか」があります。
紹介した2つの事例は稀なケースですが、携帯電話の払い忘れやカード引落、リボ払いなど、案外てっきり忘れてしまっている方は多いです。
とはいえ、ブラックリストに載ってしまっている方は、ほとんどご自身で心当たりがあります。
不動産購入を検討している場合は、そういった事もすべてお話しください。
そうでないと対策ができませんし、事例②のように無駄に審査記録をつくるのは得策ではありません。
安心してください!不動産会社は慣れていますので。
しっかりと味方になって、知識・経験を活用してアドバイスをしてくれる。
そんな不動産会社とタッグを組めれば安心ですね。