【 売れた金額 ≠ 手残り金額 】 不動産売却にかかる経費について

不動産売却

いまのお住まいをご購入されたときに、不動産購入にかかる諸費用として仲介手数料や登記費用、住宅ローン手数料などが必要になったと思います。

「想像以上に諸費用が高くてビックリした!」
「そういえば思いのほか取られたな~。」

なんて、あまり良くない思い出をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。笑

実は不動産を売却する時にも、諸費用がかかります。

購入時と違って、必要となる諸費用は売主様ごとに異なりますので、自分たちの場合はどんな費用が必要になってくるのかを、知っておく事が大切です。

売却時の諸費用として必要になることが多い6つをお伝えします。

どんな場合に必要になるのかも含めて、ご説明いたします。

契約印紙代

どの売主様でも必要となる費用です。

売買契約書には、取引金額に応じて収入印紙を貼らなければいけません。

2020年8月現在、不動産売買契約書に貼付する印紙税額は軽減されています。

下記表の「本則税率」が軽減前の本来の印紙税額。

下記表の「軽減税率」が現在適用されている印紙税額です。令和2年8月現在、「軽減税率」は令和4年3月31日の不動産売買契約までは適用できる事が決まっています。

国税庁HP 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置より

仲介手数料

仲介手数料も、すべての売主様にかかってくる費用です。

仲介手数料は売買金額に応じて上限額が決められています。

全日本不動産協会ホームページより

不動産取引で最も多い、400万円を超える金額の取引では下記の速算式があります。

「 売買金額 × 3% + 6万円 + 消費税 」

売買金額1000万円の不動産売買であれば 36万円+消費税

売買金額3000万円の不動産売買であれば 96万円+消費税

が、仲介手数料の上限金額となります。

登記費用

ここから先は、売主様ごとに必要になることがある諸費用です。


不動産売買では、所有権を移転する費用は買主様が負担するのが一般的ですので、売主様に所有権移転の費用が課されることはまずありません。


売主様が負担するのは、表示変更登記費用と抵当権抹消費用です。


表示変更登記とは、登記簿に登録されている氏名や住所を変更するための費用です。

登記簿上の所有者と売主様(免許証、印鑑証明書、住民票などで確認)は同一人物でないと売却はできません。

新居を購入して別の家に住んでいる場合や結婚をして名字が変わった場合に必要となります。 ※すでに変更をしてあれば不要


抵当権抹消費用とは、不動産に設定されている担保を外すための費用です。

担保を設定したまま売却することはできませんので、担保を抹消しなければいけません。

不動産1件につき1000円の登録免許税がかかります。(中古住宅の場合は土地と建物で2000円)

プラス、司法書士の報酬が4万円前後かかってきます。

譲渡税

不動産を売却したことで売却益が生じた場合は、売却益に対して譲渡税が課されます。

極端な例ですが、1000万円で購入した土地が1200万円で売れた場合、200万円に対して譲渡税が課されるわけです。

静岡市のような地方で例ような状況は極めて稀ですが、相続で取得した土地であったり、購入した金額が不明である場合には課税されるケースが多いです。


購入金額が不明の場合は、売却価格の5%で計算をされてしまいます。

先程の例で言えば、1200万円で売却できましたので、購入時価格はその5%で60万円とみなされます。

すると、課税対象となる売却益は1140万円となり、多額の譲渡税が課税されます。


相続した物件の場合は、購入時価格が分からないこともあれば、何十年も昔で貨幣価値が今と異なります。

700万円で売れた土地の購入時価格が500円ということもありました。
1970年に購入した記録でした。今の貨幣価値にはなおしませんので、このときは売却価格の5%を採用しました。


このように、売却益などない!と思っていても、対象になってしまうことがあります。

自分が住んでいる土地であれば「居住用財産の3000万円特別控除」の適用が出来たりもします。詳しくは下記の別記事で説明しています。


譲渡税は最大で売却益の39%(別途復興特別所得税)が課されます。
思わぬほどの金額が税金として取られてしまうこともありますので、必ず売却を行う前に譲渡税の課税対象になるのか。なる場合は目安金額の確認を行っておきましょう。

測量費用

売買をする土地が、どこからどこまでなのかをしっかりと確認しておかないと、あとから大きな問題となります。

確認方法は境界杭です。

お隣さんとここが境界ですね。と確認をしたうえで設置されるのが境界杭です。

もし境界杭が存在しない場合や確認できない場合は、再度測量を行ってお隣さんと境界を確認して杭を新設しなければいけません。

たとえ、境界杭が設置してあっても2002年(平成14年)以前の測量結果に基づく境界杭の場合は、再度測量を行うようにお願いしています。

2002年に測量に用いるGPSの基準が日本基準から世界基準に変更されました。

くわえて、測量技術も進化しているため、いくら境界杭が設置されていても、設置に基づく測量図が古い場合には、再度測量を行いましょう!

測量費用は敷地の大きさや隣接地の数にもよります。
一般的な住宅地、40坪ほどの面積であれば40万円前後の費用がかかるイメージです。

建物解体費用

古い建物を壊して土地として販売する時には、建物解体の費用が必要になります。

建物の構造や大きさ、重機利用の可否などによって異なります。

目安としては、木造3万円前後、鉄骨4万円前後、鉄筋コンクリート造5万円前後といういようなイメージです。(すべて建物床面積の一坪当たりの単価)

解体業者の選び方や更に詳しい詳細費用については、下記記事を参考にしてください。

さいごに

不動産売却時にも様々な諸費用が必要となってきます。

相続税を支払わなければいけない。
住宅ローン残債が残っている。

というケースでは、売買価格よりも手残り金額の方が重要です。


場合によっては、手残り金額から売買価格を逆算するケースもあるくらいです。

ぜひとも売却を開始する前に、必要となる諸費用を知り、手残りの金額を把握しておいてください。

お任せする不動産会社の仕事でもありますので、手残り金額を示してくれるというのは不動産会社選びの要素のひとつにしても良いかもしれませんね。

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