【高すぎる不動産価格】静岡市の不動産価格は下がるのか現役不動産事務所代表が考察してみる

どうも、ライフアーキの内藤です。
再開後、即人気を博してる内藤の日常報告的ブログ(まだ3日目。笑)ですが、不動産関係のことも書かないといけないかなと思い、やる気が出たので書いてみました!

価格の上昇が止まらない土地や建築価格。
いつ価格は下がり、いつが買い時なのか、個人的な考察をしてみました。

静岡市を拠点とする不動産会社からみた目線なので、都市部やマンション乱立エリアとはまた違うのかもしれませんが、「おうちが欲しいけど、高くていつ買えば良いか困っちゃうな~」という方の参考になれば!

どれくらい価格が上昇しているのだろう?

そもそも価格が上昇していると銘打っていますが、実際のところどうなんでしょう。
この手の参考になる不動産価格指数というものがあるそうなので、国土交通省の資料から引用してみます!
下の表が不動産価格指数というもので、2010年を100とした際の不動産価格の変動を示しています。

不動産価格指数(令和5年5月分)

やっぱり上がっていますね!
全体的に都市圏でのマンション価格高騰に引っ張られている部分はありますが、住宅地価格や戸建ての価格が上昇しているのは読み取っていただけると思います。

個人的な肌感覚では、僕が静岡市で不動産業に従事するようになった2015年から比較すると土地価格で1.1~1.2倍、建築価格で1.3~1.4倍、中古住宅もそれらに引っ張られるように上昇している感じです。

価格上昇の背景を考えてみる


なぜ土地価格や建築価格の上昇は止まらないのでしょう。
その背景を静岡市に焦点を当てて考えてみます。

土地価格の上昇について考える


住宅ローンでの追い風(低金利やローン商品の増加)や公共施策(住宅ローン控除や支援金)など様々な背景がありますが、とりわけ静岡市における大きな理由は2つかなと思います。

水害リスクによる二極化

市内でも価格の二極化が顕著になってきています。
山を背負い、川が流れ、海に面する静岡市では不動産を考えるうえで「水害リスク」は外せません。

不動産価格の変動も需要と供給によって起こります。

当然に津波や浸水のリスクの低いエリアは需要が増大し価格が上昇、リスクの高いエリアは需要が減少し価格は下落してしまいます。

とはいえ静岡市では、リスクの高いエリアの不動産も結構売れています!ただ、これらは低価格という後押しによるもので、二極化の解消が見込めるものでもなく、むしろ促進させていくものかな~と感じます。もう二極化の解消は難しいだろうな。


分譲住宅の増加

ここ数年、静岡市内で建売住宅を販売する建築会社がかなり増えました!
不動産会社経由で土地を仕入れ、建物を建て、不動産会社経由で販売するので、一般の方からはあまり見えない部分かもしれません。

建売住宅を販売するには土地を仕入れなければいけません。
この土地仕入れ競争が激しくなりすぎて【多少高くても買う!】という現象があちらこちらで発生します。

市場に出回る売土地はそんな激しい仕入れ競争でも採算の合わない価格帯となる

でもそれしかないので一般のお客様は高くても買うしかない

取引実績として残り、近隣の物件売出し時の参考価格となる

相場が上がる

ざっくりこんなイメージです。

相場があがっても建売住宅の会社は土地を仕入れないといけないので、高くても買うようになります。まさに今がこの負の循環の真っただ中にあります。

建築価格の上昇について考える


円安や物価の上昇、職人さんの人出不足、ウクライナ・ロシアの戦争、災害の増加による復興需要増など、建築価格上昇の背景は多岐にわたります。

このあたりの詳細は調べればいろいろ出てきますので、現役不動産事務所の代表らしく少しだけ違った視点でアプローチしてみます!



少しいやらしい角度から建築価格の上昇を考えると、気になるのは利益率です。

土地価格も建物価格もあがっているので、当然に着工棟数は減少します。

実際に2022年の静岡県新設住宅着工戸数は1万9776戸(前年比マイナス7.0%)で過去30年で最小でした。2013年が約2万7500戸であったことを考えるとかなりの減少です。

建築の棟数が確保できないとなれば、建築会社はどうするのか。
僕だったら、利益率をあげます。
上述のように価格上昇してしまう背景もあるし、もともと建築価格提示の際も利益率は見えないので、あげやすく説明もしやすいので。

あくまで、僕が経営していたらの話です!!! ここ重要です!笑
コストを抑えた新商品の開発であったり、自社の特性を明確にしたり、SNS戦略で販促費を抑えたり、建売市場に挑戦したみたり、各社さん様々な対応をしているので一概に言えない部分でもあります。

静岡市の不動産価格は下がるのか

現状維持がつづき、当分は下がらないです!
いま「おうちが欲しいな~」と思っている方は、いまの価格で検討してください。
そう考える理由を、価格上昇の原因をかみ砕いて書いてみます。

二極化は止まらない


もうこれは仕方がありません。毎年日本全国で河川氾濫等の浸水が起こるので、二極化はより加速すると思います。
静岡市の水害リスクが低い土地はお高い! 覚えておきましょう。

建売会社の撤退等が転換期


建売住宅は減らないです。静岡市では、注文住宅受注に行き詰っている建築会社が建売住宅に参入してきていますので、むしろ増加傾向にあるかもしれません。
これらの会社が撤退等をして整理整頓されないと、なかなか土地価格の下落は難しい状況だろうと思います。

というのも、建売住宅を供給する会社は基本的に止まったら終わりなので、撤退・倒産をするかか、買い続けるかの二択しかありません。

建売住宅は完成して売れて初めて資金回収ができます。しかしながら、土地を仕入れるのにも、土地を造成するのにも、建物を建てるのにも、販売を行うのにもお金がかかります。

この先行投資があるので、常に回り続けていないといけないのですね。

したがって、撤退等をしない限りは高くても土地を仕入れ続けなければいけないのです。

高くても買い続けないといけない建売会社が、たくさん競合している間は、土地価格は下がる余地がありません。
実際には撤退したとしても、一度上がってしまった相場を下げるのは容易ではないですが。。。。

建築費も下がる目途はない


建築価格はほぼ間違いなく下がりません。
円安や職人不足などの要因は解消の目途がありませんし、ローコスト住宅も随分前から飽和状態でこれ以上の値下げ競争は難しいです。

ウクライナ・ロシアの戦争終結などにより、もし仮に建築費用が下がったとしても、建築会社が販売価格を下げることにも直結しないはずです。おそらく安くなった建築費用分も建築会社の利益になるでしょう。
〇〇住宅さんでお家を建ててもらうなら3000万円は必要だよね。というのが何となくでも認識されれば、わざわざ2500万円に戻す必要はありませんよね。

結局は欲しい今が買い時です!

いま住まいの購入を検討されている方は、「下がるまで待とう。」は難しいかもしれません。
いつになるか分からないし、住宅ローンも上昇の兆しが出てきたし、その間の家賃がもったいないし、病気になってしまったら住宅ローンが組めなくなるし、待つことによるデメリットのほうが遥かに大きいと思います。

たしかに今は少し高いですが、可能な限り今のタイミングでご検討いただくのが良いです。

あっただし、静岡市でもタワーマンション等の高級マンションは例外かもしれません。
都市圏でもマンション価格は頭打ちとなっており、ここから下落に転じる可能性もあります。
少しばかり様子見でも選択としては良いかもしれません。

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