【住宅ローン金利が上昇傾向】変動金利と固定金利はどちらがいいの？

住宅ローンの長期固定金利が上昇傾向ですね。
おそらく11月も長期固定金利は上がってくるものと思われます。

住宅購入をご検討中の方には耳の痛い話です。
ただ、これまでの超低金利が異常であっただけで、長い目でみれば金利上昇は間違いありませんので、住宅購入は先延ばしにせず、今動くことがベターです。

その際の悩みどころのひとつが、住宅ローンの金利選択ではないでしょうか。
・今後も住宅ローンが上昇するなら固定の方が安心じゃないだろうか。
・変動金利は上昇のニュースを聞かないけどどうなの？
・結局どちらがお得なのだろう。
などなど、疑問は尽きないかと思います。

そんなお悩みの解決となるべき、静岡市の不動産事務所代表が自分の考えをお話いたします！

おすすめは変動金利

まず、僕の立場は「固定金利にする明確な理由がなければ、変動金利にするべき」です。
実際に僕自身も令和５年８月から住宅ローンをお借りしていますが、変動金利を選択しています。

なぜ長期固定金利だけ上昇傾向なのか？

ニュースや新聞、ネットでも住宅ローン金利が上昇するという話を目にするようになってきましたね。しかしながら、その内容はすべて「長期固定金利が上昇する」というもの。
なぜ、変動金利が上昇するというニュースは目にしないのでしょうか。

固定金利と変動金利では金利算出の指標が異なる

実は同じ住宅ローン金利という扱いでも、固定金利と変動金利では金利算出をする際の指標が異なります。

固定金利は１０年国債利回りを指標とし、投資家等の動きにより変動します。
投資家は市場動向や国（日本銀行）の政策などから、将来のリターンを予測し行動しますので、将来予測が反映されてきます。

一方で、変動金利は短期プライムレートを指標としている銀行（メガバンクや地銀など）が多いです。
_{^{※ネット系銀行などそれ以外の指標を採用している銀行もあります。}}
短期プライムレートとは、１年以内に各銀行が企業へ貸し出した融資の最優遇金利です。
つまり、直近の銀行融資動向が反映されてきます。


極めて端的に言えば、固定金利は将来を、変動金利は現在を示していると言えます。

長期固定金利が上昇した要因

いま「長期金利が上昇」しているのは、日本銀行が長期金利の上昇を容認したためだと考えられます。

政策による金利上昇のため、市場（現在）はまだ追いついておらず、変動金利は変化がなく長期固定金利だけ上昇するという結果になったわけです。

変動金利をすすめる理由

僕が変動金利をすすめる理由は２つです。

◆現在に適した金利なので生活実態との差が少ない

◆固定金利との金利差を埋めるほどの金利上昇をする場合は賃金も上昇している

とりわけ、今は賃金等の上昇がないのにも関わらず長期固定金利は上昇しているタイミングですので、より変動金利が良い選択です。

現在に適した金利である

上述したように、変動金利では直近１年以内の融資実績が指標となっており、現在の市場を反映する仕組みとなっています。

住宅ローンの変動金利が上昇するということは、貸出金利が上がってもお金を借りてくれる余裕のある企業が増加したとみることができます。
ひいては、属する社員の方々の賃金にも反映されてくるのが一般的な流れです。

そのため、住宅ローンの変動金利が上昇したら賃金も上昇するというのが原理原則です。
それに従えば、変動金利は常に現在の生活実態に即した金利選択であると言えます。

固定金利との金利差を埋めるほどの金利上昇時には賃金も上がっている

令和５年１０月現在、固定金利３５年が約１.８％です。
一方で、静岡銀行の変動金利は０.５％で、その差が約１.３％ほどあります。
^{※実際にはスタート時に－１.３％の差があるので、早い段階で１.３％以上の金利になるか、１.３％を大きく上回る金利上昇が起こらない限りは変動金利にメリットがある}

約１.３％の金利差は上昇を複数回繰り返せば、数年で埋まってしまいます。
しかしながら、そうなる確率は低いと僕は考えています。
理由は、上述したように変動金利は実態が伴って上昇をするから。
数年で１.３％の金利上昇に事足りるだけの賃金上昇は望めないと思っています。

また、破産者が増加して困るのは銀行や保証会社です。
もし、指標である短期プライムレートが上昇を続けたとしても、実際の住宅ローン変動金利の上昇には慎重にならざるを得ないのではないかと思います。

理由があれば固定金利も良い

人によっては固定金利が向いている人も数多くいらっしゃいます。

◆細かく不安になりやすい人
　金利上昇のニュースを聞くたび不安になる方は、固定金利の安心感を選択するのが良いです

◆家計の管理が苦手な人
　毎月一定の支出である固定金利の方が圧倒的に管理は容易です。
　特に教育費などに資金を投下したい方などは固定金利を選ぶこともあります。

◆金利の上昇が当分続くだろうと思う人
　先ほど示した金利差など比較にならないほどに金利が上昇するとお考えの方は固定金利が良いです。

まとめ

固定金利が上昇傾向になる今のタイミングでの、金利選択についてお話してみました。

個人的には実態に即した変動金利をおすすめしています。
しかしながら、金利情勢も大きな転換期を迎えており、上昇することは間違いありませんので長期固定金利も良い選択だと思います。

結局のところ正解はありませんので、ご自身で納得して選択すればOKです。
その選択をするための一助となれれば幸いです。