借金があっても住宅ローンは借りられる!?|住宅ローンの審査NG例と審査内容を解説

住宅ローン

お家の購入において、住宅ローンを避けて通ることは出来ません。

どれだけ高収入の方であっても、信用の高い公務員や士業の方であっても、住宅ローンが借りられない可能性は十分にあります。

一方で、住宅ローンは借金がある方でも、シングルマザーの方でも、契約社員・派遣社員の方でも難なく借りることができます。

なぜ借金があるのに借りられるのでしょう?疑問ですよね。

そこで今回は、住宅ローンの審査内容と、住宅ローンに落ちてしまった方の実例および解決策を解説していきます。

あまり審査内容等は公開されていませんので、住宅ローン審査に不安を抱えていらっしゃる方には必見の内容です!

事前審査と本審査の注意点

住宅ローンには、事前審査と本審査があります。

「契約前に借してもらえるかを調べる事前審査」、「契約後に実際の借入を申込むための本審査」というイメージです。


契約をしてから住宅ローンが借りられなかった。となると、買主様だけでなく売主様にも不動産会社にもリスクとなります。

そのため本審査の前に事前審査が設けられており、基本的に事前審査がOKであれば本審査もOKです。

事前審査OKだったのに本審査でNGを連発するような銀行は、信用できませんし恐くて契約に進めることができません・・・


一応本審査の方がチェックが厳しくなりますが、あまり気にしなくて良い程度です。

懸念事項として多い、雇用形態・家族構成・借金ありの場合は事前審査のタイミングで申告をしておかなければいけません。


また、事前審査と本審査においては注意事項が2つあります。

事前審査時と申込み内容に相違がある

この場合は、本審査で非承認となる場合があります。

・車をローンで買い変えた
・リボ払いをスタートした
・携帯電話を買い変えて本体代金を毎月返済にした
・借入希望額を増額した
・収入が下がった
・クレジットカードなどの支払いを滞納した

など、このような場合は本審査でNGとなる可能性があります。

基本的に本審査は契約以降に行うため、最悪の場合は契約の違約で何百万円という損害賠償に発展しかねません。


これは本審査までの注意事項として必ず知っておかなければいけません!!

ネット銀行の事前審査は信頼がおけない

静岡銀行や清水銀行などの地方銀行、JA、信用金庫などでは事前審査の信頼度は高く、本審査も95%以上問題なく通過します。

しかしながら、ネット銀行にこの信頼度はありません。


後述しますが、審査でポイントなるのは返済能力・個人信用情報・物件担保力の3つです。


ネット銀行の事前審査では、個人信用情報・物件担保力の2つも欠けています。

ネット銀行の事前審査では、個人信用情報(いわゆるブラックリスト)を取得しないことがあります。

ネット銀行の事前審査では、物件の正しい情報が記載されている登記事項証明書を添付する必要がありません。

このような背景から、ネット銀行の事前審査には信頼を置いていない不動産会社も多く存在し、ネット銀行の事前審査だけを通過しても契約をさせてもらえないケースも出てきております。

実店舗のない銀行

住宅ローンの審査内容

住宅ローンの審査は「返済能力」「個人信用情報」「物件担保力」の3つから行います。

このうち「返済能力」については、勤務先・収入・他の借入・健康状態など多方面から審査が行われます。

具体的な審査内容をひとつひとつ見ていきましょう。

1. 勤続年数・勤め先

銀行からすれば、収入が安定している人ほど滞納のリスクは少なくて済みますので、どのような会社に勤めているのかは重要項目です。

契約社員や派遣社員、パートタイマーでも住宅ローンの借入れは可能です。

しかしながら、収入の安定性という面から銀行によってはかなり厳しい見られ方をする場合もありますので、銀行選びをしっかりと行わなければなりません。


それ以外でも、特に銀行の審査が厳しくなる条件は下記4つです。

・勤続年数が短い(3年未満)

・転職が多い

・収入割合で歩合給が多い

・自営業


これらに該当するから住宅ローンが借りられない。というわけでは全くありません。

しかしながら、収入の安定性を重視する住宅ローン審査では、このあたりのチェックはどうしても細かくなってきます◎

2. 収入

当然ながら収入は住宅ローン審査における大きな項目です。


銀行は、収入に対するローン返済額の割合(返済比率)を基に、融資の上限額を決定しています。

年収が計算のベースになるので、必ず年収の分かる書類の提出が必要です。


※参考記事【静岡県の平均年収400万円を基準に住宅ローン借入可能額を試算してみた!】


たとえ借金がある方でも、返済比率を用いた計算で、住宅ローン希望額が融資上限額におさまっていれば、問題なく借入れをすることができます。

3. 他ローンの借入れ

自動車ローンや教育ローンなど、他のローンの借入れ状況も融資上限額を算出するうえで大切です。

これらの他のローン状況などについては、銀行は調べればおおよそ把握できます。

しかしながら、自己申告で伝えるのと、銀行が調べて分かるのでは個人への信用に差が出てしまいます。

銀行からすると、現在返済中のローンも把握していないのか。という、だらしないイメージを持たれてしまいます。

他のローンやリボ払い、カードキャッシング、過去の滞納歴など、審査時には把握している借入れ等はすべて伝えるようにしましょう。どうせバレますので。


借金がある方はここで申告して、返済比率におさまればOKです。

ただし、借金がある方でも滞納をしていたらアウトになってしまう可能性が高くなります。その場合でもしっかりと伝えて審査を受けましょう。

4. 健康状態

住宅ローンの借入れにともない、団体信用生命保険への加入が必須となります。

生命保険ですので、健康状態に不安がある場合は加入不可となり、住宅ローンの融資不可となってしまいます。


万が一の場合は、健康状態の審査が少し緩和されているワイド団信という商品もあります。

意外に見落としがちですが、住宅ローン審査を行う上で健康状態は欠かすことの出来ない大切な項目です。

5. 個人信用情報

個人信用情報とは過去の滞納歴や金融事故歴が記載された、いわゆるブラックリストです。

ここに問題があると、高収入であろうが、公務員であろうが、融資を受けることが出来ません。


この個人信用情報でNGとなってしまう方はほとんどが、返済の滞納もしくは自己破産です。

返済の滞納に関しては、クレジットカードや携帯電話の代金、奨学金、公共料金など、ありとあらゆる支払いが該当します。

引き落とし口座に入金していなかった。引き落とし口座を変更していなかった。など、ちょっとしたミスでも、しっかりと記録残ってしまっています。

こうした記録は最短でも5年間は残りますので、その期間内に住宅ローンを借りることは不可能だと考えてください。

6. 物件担保力

購入物件を担保とすることで、銀行は住宅ローンを貸してくれます。

万が一、滞納等が発生した場合はこの担保を売って、融資金を回収するのです。


したがって、物件の持つ価値を超えて融資を受けることは出来ません。

2000万円の土地を担保に3000万円を借りられませんし、3000万円の新築戸建てを担保に4000万円を借りることはできません。


この物件の担保力は、融資上限額に大きく影響します。

特に、中古住宅を購入してリフォームやリノベーションを行う場合は注意が必要です。

リフォーム等をして建物価値が上がる前提はありますが、2000万円の中古住宅に対して3000万円の融資をお願いするわけですから。

不動産会社も含め、この物件担保力の部分を見落とすことがあります。

しっかりと審査内容のひとつとして、考慮しておきましょう。

住宅ローン審査のNG例

NG集

住宅ローンでは、上述したような審査を行います。

実際に住宅ローン審査でNGとなった例をいくつかご紹介いたします。

勤務先会社の状況が良くなかった

「収入の安定性」という面からNGになった事例です。


勤続年数、健康状態、借入希望額、個人信用情報、物件担保力、借金もなし、特に何の問題もなかったお客様の事前審査がNGとなったことがありました。


NGになる理由が全く見当たりませんでしたが、銀行担当者とお客様からの情報で推測するに、勤務先会社の経営が下降線であったことが審査NGの原因だったようです。


審査を申し込んだ銀行が勤務先会社の主要銀行であったため、表向きになっていない会社状況や決算書を銀行は把握していました。

その結果、個人というよりも会社にフォーカスして「収入の安定性」が見込めないという判断になったようです。

ブラックリストの掘り起こし

過去に自己破産歴がある方が、自己破産から13年経過後に行った事前審査でNGが出た事例です。

基本的に、金融事故の記録は10年経過すれば消えています。

幸い、自己破産から13年経過していたので、問題ないだろうと事前審査を行いました。しかしながら、結果は融資不可、NGでした。

銀行が教えてくれた審査NGの理由は以下の通りです(こちらから銀行には自己破産歴のことは伝えてありません。)。

実際に個人信用情報に事故歴の記載は出てこなかったそうです。

収入も勤続も勤め先も何の問題もありませんでした。

ただひとつ、5年前(自己破産から8年経過時)に事前審査を行ってNGだった記録がでてきたそうです。

その記録を参照して、自己破産歴が判明して融資NGだったそうです。

個人信用情報の記録が10年で消えるというのは、ただ単に開示した記録に記載がなくなるだけです。10年経てば銀行が融資を再開してくれるという意味ではありません。

ここは勘違いしないようにしてください。

中古住宅で物件担保力不足により減額

中古住宅を購入してリノベーションを行う予定だったお客様ですが、融資が減額回答となってしまいました。


これは単純で、物件の担保力が不足していたそうです。

減額回答として銀行から提示された金額が、その中古住宅にリノベーションを行った場合の、担保としての価値の上限です。


物件担保力の審査は、銀行によって重要度が異なります。

このケースでも、他の銀行で希望額の融資を取り付けることができました。

物件担保力の問題で住宅ローンにつまづいている方は、銀行を変えるだけで解決できる可能性は十分にあります。

まとめ:借金があっても住宅ローンは借りられる!総合的な視点で審査されます。

借金があっても住宅ローンを借りる際に大きなマイナスになることはありません。

住宅ローンは「返済能力」「個人信用情報」「物件担保力」、3つの視点から総合的に審査します。


それぞれの項目の重要度合いは銀行によって異なります。

「返済能力」を最重視する銀行もあれば、「物件担保力」に重きを置く銀行もあります。

住宅ローンは、ひとつの銀行でダメだったから他もダメ、ではありません。

やたらと審査を行う必要はありませんが、住宅ローンに困っていようが、困っていなかろうが、複数の銀行にチャレンジしてみるのが良いと思います。

ただし「個人信用情報」だけは、どこの銀行でもNGですのでご承知おきを!

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